「Web制作」と「Webシステム開発」。似た言葉ですが、実は指している範囲が異なります。プログラミングを学ぼうとするとき、この違いが分からないと、「自分は何を学ぼうとしているのか」が見えにくくなります。
ざっくり言うと、Web制作は「見えるページを作ること」、Webシステム開発は「データを保存したり処理したりする仕組みまで作ること」です。この違いを理解しておくと、学習の全体像がぐっと分かりやすくなります。
この記事では、Web制作とWebシステム開発の違いを、使う技術の役割とともに未経験者向けに整理します。あわせて、湘南ハイテク企画(SHK)の求職者支援訓練「Web・AIアプリ&システム技術者養成科」で、体験会と訓練本編がそれぞれどこまでを扱うのかも説明します。
Web制作とは何か
Web制作とは、私たちがブラウザで見ている「Webページの見た目や動き」を作ることを指します。会社の紹介ページ、商品の案内ページ、ブログの記事ページなど、目に見える部分を作るのがWeb制作です。
Web制作で扱う主な技術は、次の3つです。
- HTML:ページの「構造・内容」を作る。見出し、文章、画像、リンクなどを配置します。
- CSS:ページの「見た目・デザイン」を整える。色、文字の大きさ、レイアウト、余白などを調整します。
- JavaScript:ページに「動き」をつける。ボタンを押すと表示が変わる、メニューが開く、といった動作を加えます。
例えるなら、HTMLが建物の骨組みと部屋の配置、CSSが内装やデザイン、JavaScriptが自動ドアや照明のスイッチのような「動く仕掛け」にあたります。
Webシステム開発とは何か
Webシステム開発は、Web制作で作る「見た目」に加えて、その裏側で動く「データを扱う仕組み」まで作ることを指します。身近な例で考えると分かりやすくなります。
- 会員登録して、次回からログインできる。
- 入力した情報が保存され、あとで確認できる。
- 商品を検索すると、条件に合ったものが一覧で出てくる。
こうした「入力されたデータを保存し、必要に応じて取り出して処理する」仕組みは、見た目だけでは実現できません。裏側でデータを処理するプログラムと、データを保存する場所(データベース)が必要になります。この裏側まで含めて作るのが、Webシステム開発です。
Java・データベースの役割
Webシステム開発で中心的な役割を担うのが、サーバー側で動くプログラムと、データベースです。
- Java:サーバー側で「データの処理」を担う言語のひとつです。入力された情報を受け取り、正しいかを確認し、保存や検索などの処理を行います。企業の業務システムで長く使われており、堅牢な仕組みづくりに向いています。
- データベース(SQL):データを保存・管理する仕組みです。会員情報や入力データなどを整理して保存し、必要なときに取り出せるようにします。データベースを操作するために使うのがSQLという言語です。
先ほどの建物の例えを続けると、Web制作が「見えている建物」だとすれば、Java・データベースは「受付でお客様の情報を管理し、必要な手続きを処理する裏側の業務」にあたります。見た目には現れませんが、サービスを成り立たせるうえで欠かせない部分です。
見た目と裏側、両方で一つのWebアプリになる
ここまでを整理すると、Webアプリ(Webシステム)は次の2つが組み合わさってできています。
| 区分 | 主な技術 | 役割 |
|---|---|---|
| 見た目(フロントエンド) | HTML・CSS・JavaScript | ページの構造・デザイン・動き |
| 裏側(バックエンド) | Java・データベース(SQL) | データの処理・保存・取り出し |
ログイン機能を例にすると、「入力フォームの見た目」はHTML・CSS・JavaScriptで作り、「入力されたパスワードが正しいかを確認し、ログイン状態を管理する処理」はJavaやデータベースが担います。この両方がそろって、はじめて一つの機能として動きます。
Web制作だけでも価値のあるページは作れますが、「データを扱う仕組み」まで作れるようになると、対応できる仕事の幅が大きく広がります。
体験会で触れるのは「Web制作の入口」
湘南ハイテク企画では、募集期間中に生成AIを使ったWeb制作体験会・説明会を実施します。
体験会で触れるのは、主にWeb制作の入口です。生成AIを使いながら、Webページの見た目を作る流れを体験します。いきなり難しい開発を行うのではなく、「プログラミング学習の入口ってこういう感じなんだ」と感覚をつかむことが目的です。
そのため、体験会は「Webシステム開発のすべてを体験する場」ではありません。まずは気軽に入口に触れ、IT学習が自分に合いそうかを確認する機会として活用してください。
訓練本編では「Webシステム開発」まで学ぶ
一方、訓練本編では、Web制作の入口にとどまらず、Webシステム開発まで段階的に学びます。
本コースでは、コンピュータの基礎から始め、Java、SQL、Webシステム開発、JavaScript、Python、データサイエンスまでを6か月かけて扱います。つまり、「見た目のあるページを作る」ところから、「入力されたデータを保存し、ログインや検索のような仕組みを持つWebアプリを自分で作れるようになる」ところまでを目指す内容です。学習の流れは学習ロードマップでも確認できます。
体験会で入口に触れ、「もっと本格的に、データを扱う仕組みまで作れるようになりたい」と感じた方にとって、訓練本編はその続きを体系的に学べる場になります。学ぶ順序が整理されているため、未経験からでも見た目から裏側へと段階的にステップアップできます。
なお、本コースは、配色やレイアウトといったWebデザイン(意匠・グラフィック制作)そのものを専門に学ぶ講座ではありません。HTML・CSS・JavaScriptは、Webシステムの画面(フロントエンド)を実装するための技術として学び、あくまでプログラミング・Webシステム開発を中心に据えた内容です。
よくある質問
Web制作とWebシステム開発、どちらを学ぶべきですか?
目的によります。見た目のあるページを作れるようになりたいならWeb制作が入口になりますが、データを扱う仕組みまで作れると、対応できる仕事の幅が広がります。ただし、本コースは配色やレイアウトなどのWebデザイン(意匠)を専門に学ぶコースではなく、Webシステム開発(プログラミング)を中心に学ぶコースです。HTML・CSS・JavaScriptは、Webシステムの画面(フロントエンド)を作るための技術として扱い、その基礎からWebシステム開発までを段階的に学べます。
HTML・CSS・JavaScriptだけでもWebアプリは作れますか?
見た目や簡単な動きは作れますが、データを保存したり、ログインを管理したりする仕組みには、サーバー側の処理(Javaなど)とデータベースが必要になります。本コースでは、その裏側まで学びます。
体験会だけでWebシステム開発まで体験できますか?
体験会で触れるのは主にWeb制作の入口です。Webシステム開発の全体は訓練本編で段階的に学びます。体験会は、IT学習が自分に合うかを確認する入口として活用してください。
未経験でも、Webシステム開発まで理解できますか?
本コースはコンピュータの基礎から順を追って学ぶ構成のため、未経験からでもWeb制作の入口からWebシステム開発まで段階的に進められます。分からないことは、対面で講師に質問しながら学べます。
まとめ
Web制作は「見えるページを作ること」、Webシステム開発は「データを保存・処理する裏側の仕組みまで作ること」です。HTML・CSS・JavaScriptが見た目と動きを担い、Java・データベースがデータの処理と保存を担います。この両方がそろって、一つのWebアプリが動きます。
湘南ハイテク企画のIT職業訓練では、生成AIを使ったWeb制作体験会でまず入口に触れ、訓練本編でWebシステム開発まで段階的に学べます。「見た目を作る」から「データを扱う仕組みを作る」へと進みたい方は、まず体験会で学習の入口を確かめてみてください。
エントリー受付中
Web制作の入口を体験してみませんか
まずは生成AIを使ってWebページ制作の入口を体験してみませんか。体験後には、Javaやデータベースを使ったWebシステム開発まで学ぶ6か月間の訓練内容や、ハローワークでの申込手順についてもご案内します。
